相続などの相談をホームページから受けたい税理士事務所に向けて、相談する人の状況(相続が発生したばかり・資料がそろっていない・期限が近い)ごとに入口を分ける考え方をまとめました。受付のときに聞くことや、担当への引き継ぎで残すことも、一般的な設計の例として紹介します。
SECTION 01
同じ相続相談でも、読者が知りたいことは違う
相続について相談したい人が、最初から同じ説明を求めているとは限りません。亡くなったばかりで何から話せばよいか分からない人、手元の資料が少なく相談をためらう人、期限が気になって先に連絡したい人では、ページを開いたときの疑問が異なります。税理士事務所のホームページでは、業務内容をまとめて示すだけでなく、こうした場面から相談の入口を考える方法があります。
亡くなった直後は、相談の始め方が見えにくい
亡くなった直後を想定するなら、最初に詳しい事情を整理してもらうより、「今分かっていることから相談できるか」「最初の連絡では何を伝えるか」を示すと、読み進める理由が明確になります。案内する内容は、事務所が実際に受け付ける相談の範囲に合わせます。対応できる内容を確かめずに、どんな事情でも引き受けるような書き方にはしません。
資料の不足と期限への不安は分けて扱う
資料がそろっていない人は、手元にないものを先に集めなければ連絡できないと思うかもしれません。一方、期限が気になる人は、資料の説明より先に、いつまでに返事が得られるのかを知りたい可能性があります。同じ問い合わせ欄へ案内するとしても、その前に置く説明を分ければ、相談者は自分の状況に近い入口を選びやすくなります。
入口を分ける目的は、相談の結果を予測することではなく、最初の一歩に必要な案内を見つけやすくすることです。まずは事務所に届く相談で、最初に聞くことが場面によってどう違うかを整理し、その違いをページ内の案内へ反映します。
SECTION 02
状況別の案内をページ内に設ける
状況別の入口を作るときは、別々のページを増やす前に、一つのページ内で案内を分ける設計例から考えられます。相続に関する説明を読んだ人が、「自分はどこから連絡すればよいか」を探し直さずに済むよう、場面を示す見出しから相談方法までを近づけます。ここで紹介するのは一般的なページ設計の例であり、特定の事務所の制作事例を示すものではありません。
場面の見出しは、相談者の言葉に寄せる
たとえば「相続が発生したばかり」「資料がまだそろっていない」「期限が気になっている」という見出しなら、読む人は自分に近い状況を探せます。それぞれの下には、最初に伝える内容と、事務所からの連絡について事前に案内できる内容を置きます。見出しだけを分け、続く説明がどれも同じでは、入口を選ぶ意味が薄れてしまいます。
案内から問い合わせまでの道筋をつなぐ
場面ごとの説明を読んだ後に、どの連絡方法へ進むかが分かるようにします。問い合わせフォームを使うなら、選んだ場面に関係する質問を先に示し、入力に必要な情報を見通せるようにする方法があります。電話での相談を案内するなら、受付時に最初に伝えてほしい内容を、ページの説明とそろえておくとよいでしょう。
ページを見直す際は、各見出しから問い合わせまで実際にたどり、途中で同じ説明を読み直す必要がないかを確かめます。入口を増やすこと自体ではなく、選んだ場面から次の行動が分かることを基準にします。
入口の言葉は相談する人の言葉で
入口の見出しには、事務所の業務名ではなく、相談する人が自分の状況として選べる言葉を使います。「相続税申告」より「家族が亡くなって、何から始めればよいか分からない」のほうが、自分のことだと気づきやすくなります。
SECTION 03
三つの状況で、最初に伝える情報を分ける
状況別の案内を設けたら、それぞれの入口で何を最初に伝えてもらうかを決めます。受付時点で相談内容の判断まで済ませようとせず、担当者が次に事情を聞くための手掛かりに絞る考え方です。フォームでも会話でも、質問の意味が相談者に分かる言葉を選びます。
最初の質問は三つの場面から考える
- 相続が発生したばかりの人には、発生した日が分かるかを尋ね、分からなければそのまま伝えられるようにします。
- 資料がそろっていない人には、今手元にある資料の有無を尋ね、種類をすべて確定させる入力にはしません。
- 期限が気になる人には、何について、いつ頃までが心配なのかを自由に書けるようにします。
これらは相談内容を整理するための質問例であり、回答だけで税務上の期限や必要な資料を判定するものではありません。特に期限への不安は、相談者が思い浮かべている予定や手続きが異なる可能性があります。画面上で結論を示すより、心配している内容を担当者に伝えられる形にします。
入口で求める情報には線を引く
最初の連絡で必要な範囲を超えて、個人番号や資産の詳細を入力させる設計は避けます。詳しい事情を聞く必要がある場合でも、いつ、どの方法で担当者が確認するかを事務所内で決めてから案内するほうが、相談者にも入力の目的が伝わります。
受付で聞く順番を決めておく
状況ごとに聞くことが決まっていても、聞く順番がばらばらだと、相談する人は同じことを何度も答えることになります。最初に状況、次に期限に関わる日付、最後に手元の資料、の順にそろえると、受付の担当も記録しやすくなります。
SECTION 04
相談者の説明を担当者へ引き継げるようにする
状況別の入口で受けた内容は、担当者に伝わって初めて次の会話に役立ちます。相談者がフォームに書いたことや受付時に話したことを、担当者が改めて一から尋ねる形にならないよう、引き継ぐ内容と渡し方を事務所内で決めておきます。これは受付の設計案であり、特定の事務所が採用している手順を示すものではありません。
引き継ぐ内容は、次の連絡に使うものへ絞る
- 相談者が選んだ場面と、本人の言葉で伝えた問い合わせ内容を残します。
- 連絡を希望する方法と、連絡に際して伝えておきたい事情を共有します。
- 受付時に答えていないことは推測で埋めず、担当者が次に確認する点として区別します。
たとえば「期限が近い」を選んだ人でも、何の期限を心配しているかは入力内容によって異なります。選択肢だけを担当者に渡すのではなく、自由記入の内容を一緒に見られる形にすると、最初の質問を考えやすくなります。ただし、受付担当者が聞いていない事情まで確定した内容として記録しないことが大切です。
担当者が次に聞くことを見える形にする
引き継ぎの際は、受付で把握したことと、まだ分からないことを分けます。資料がないと伝えた人なら、何が手元にあるかを確認済みなのか、それ自体が未確認なのかで次の聞き方が変わります。相談者に同じ説明を求める前に、残された情報でどこまで分かるかを担当者が確認できる流れを考えます。
引き継ぎのメモの形をそろえる
受付から担当へ渡すメモの形を一つに決めておくと、誰が受けても抜けが出にくくなります。状況・聞けたこと・まだ分からないこと・次に連絡する日、の4つの欄があれば十分です。
SECTION 05
電話とフォームの役割を分ける
電話とフォームの両方を案内するなら、どちらを使えばよいかを相談者が判断できるようにします。方法の違いだけでなく、事務所がいつ受け付け、連絡後にどのような流れを予定しているかを、実際の運用に合わせて示すことが大切です。期限が心配な人に電話を案内する場合も、すぐに相談や回答ができると約束する表現は避けます。
連絡方法ごとに伝える内容をそろえる
電話を使う人には、受付時に最初に伝えてほしいことを短く示します。フォームを使う人には、入力する内容と、送信後に事務所からどのような方法で連絡する予定かを示します。いずれも、受付できる時間帯や返信について書く場合は、担当者の体制と照らして守れる案内に限ります。
- 電話の案内では、受付できる時間帯と、担当者が不在の場合の扱いを事務所内で確かめます。
- フォームの案内では、送信内容を誰が確認し、どの方法で折り返すかを決めます。
- 期限への不安を受ける場合は、急ぎの連絡をどう扱えるかを実際の体制で確認します。
連絡方法の役割は、事務所の受付体制によって変わります。電話のほうが早い、フォームならいつでも返答できる、と一律に決めず、相談者が次の流れを見通せる説明を優先します。案内を公開する前には、実際に受付する人と担当者の双方で文言を確認するとよいでしょう。
急ぐ人と、書いて伝えたい人で窓口を分ける
急いで話したい人は電話、時間をかけて状況を書きたい人はフォーム、と役割を分けて案内すると、どちらを選べばよいか迷いにくくなります。フォームでも、最初に状況を選ぶ欄を置いておけば、電話の受付と同じ順番で聞けます。
SECTION 06
実際の相談内容からページを組み立てる
相続相談のページを考えるときは、先に見出しや入力項目を増やすより、実際に寄せられる相談で最初にどんな説明が必要になるかを振り返ります。亡くなった直後の人、資料がそろっていない人、期限を気にする人という場面は出発点です。事務所で受け付ける相談に合わなければ、入口の分け方そのものを変えます。
見出しから問い合わせまでを続けて読む
各場面の見出しを選び、案内を読んで、連絡方法に進むところまでを一続きで点検します。見出しには「資料がない」とあるのに、問い合わせ欄で資料の詳細を必須にしていないか。期限への不安を受け止める文面なのに、実際には確認できない対応を約束していないか。こうした食い違いを見つけることが、ページを整える際の具体的な判断材料になります。
受付担当者にも画面を見てもらい、ページから届く内容で担当者へ引き継げるかを確かめます。自由記入だけでは次に聞くことが分かりにくければ質問を調整し、反対に入力を求めすぎていれば項目を減らします。見直す対象は見た目だけではなく、相談者の説明が受付から担当者までつながる流れです。
ホームページ制作について相談する際は、現在のページと、受付時によく聞くこと、担当者への引き継ぎで迷う点を持ち寄ると、検討する範囲が明確になります。まずは自社の受付体制で無理なく案内できる入口を選び、相談者が最初の連絡で何を伝えればよいかを示すところから考えます。
作った後に見直すところ
入口を作った後は、どの入口からの相談が多いか、受付で聞き直しが多い項目はどれかを、しばらく記録してみてください。聞き直しが多い項目は、入口の説明かフォームの項目に足すと、次の相談が進めやすくなります。
SUMMARY
確認する5つの項目
- 01
同じ相続相談でも、読者が知りたいことは違う
- 02
状況別の案内をページ内に設ける
- 03
三つの状況で、最初に伝える情報を分ける
- 04
相談者の説明を担当者へ引き継げるようにする
- 05
電話とフォームの役割を分ける
FAQ
よくある質問
Q状況ごとの入口は、いくつ作ればよいですか?
まずは、相談の中で多い状況から2〜3つに絞るのが進めやすい形です。たとえば相続なら「亡くなったばかりで何から始めればよいか分からない」「資料がそろっていない」「申告の期限が近い」のように、相談する人が自分の状況を選べる言葉で分けます。
Q入口を分けると、問い合わせのフォームも分ける必要がありますか?
フォームを増やさなくても、最初の選択肢で状況を選んでもらい、それに合わせて聞く項目を変える形にできます。受付の担当が最初に知りたいことを、状況ごとに3つほどに絞っておくと、相談する人の入力の負担も減らせます。
QCREVIA に頼む場合、何を用意すればよいですか?
今のホームページの問い合わせの流れと、実際によく受ける相談の内容(状況・聞かれること)を教えてください。それをもとに、状況別の入口と受付で聞く項目の案を一緒に整理します。
Q状況別の入口は、どのページに置けばよいですか?
相談が多い業務のページと、問い合わせのページの両方に置くと、どちらから来た人も自分の状況を選べます。トップページには、入口へ進む短い案内だけを置く形が分かりやすくなります。
Q状況に当てはまらない人はどうすればよいですか?
「どれにも当てはまらない」「まだ分からない」という入口も一つ用意しておくと、迷った人が相談をあきらめずに済みます。受付では、その入口の相談から多い状況を拾って、次の見直しに生かします。
Q入口を作った効果はどう確かめますか?
入口ごとの問い合わせの数と、受付で聞き直した回数を、しばらく記録して比べます。数字を決めて目標にするより、聞き直しが減ったか、相談する人が迷わず進めたかを見るのが始めやすい方法です。
運営者
CREVIA




